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夏休みの恒例行事といえば、おばあちゃんの家での花火大会だ。今年も親戚が集まり、夕食を食べ終わったあと、庭に出て手持ち花火を楽しんだ。夕暮れの空はまだうっすらと明るかったが、だんだんと群青色に変わり、花火の光が映える時間になっていった。線香花火を手に持つと、最初は力強い火花を散らし、やがて小さな丸い火がぷつぷつと揺れるようになる。その火がぽとりと落ちる瞬間は、儚くて切なく、なぜか心に残る。子どもの頃はただ「落ちちゃった」としか思わなかったのに、年齢を重ねるとその一瞬の美しさが愛おしく感じるようになった。花火が終わったあとは、縁側に座ってスイカを食べながら、風鈴の音を聞き、夜風に吹かれた。虫の声も重なり、夏の夜らしい情景が広がる。都会では味わえない、ゆったりとした時間がそこにはあった。おばあちゃんの家はいつも変わらないけれど、毎年来るたびに新しい思い出が積み重なっていく。そんな大切な場所にまた来年も帰ってきたいと思った。